第9章 意志
選択肢 | エンディング名 |
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過去は捨て去るべきだ | うたかたの夢 |
…何かを選べば、同時に何かを捨てなくてはならない。その後ろめたさや罪悪感が、後悔を生む。
だが、過去は捨て去るべきだ。…目を向けるべきは、選んだものだからだ。
後悔なく生きることは難しい。それでも… 生きていればいつかは忘れ、前を向くことができる。
忘れる……
…それも、人の強さだ。
少女はふと視線をずらした。考えを巡らせどこか遠くをみているかのようだったが、じっと近くを見ているようにもみえる。
……
…この地に残り、使命を果たします。
!
…わたしは、外のことを何も知りません。ここから出たことがないから、想像することだってできない。
ここにあるものを捨て、忘れて生きていくことは… きっとわたしにはできない。
だが……
…きっと、これでいいんです。
……
…儀式の日はもうじきです。今日のことで更に早まるかも知れません。
…あの、ひとつお願いがあるのですが。
なんだ?
少しだけでいいんです… お話をしてもらえませんか。
……
……外のことか。
はい。
……わかった。引き受けよう。
ありがとうございます。
…ねえ、サイロウ。
初めから何も知らなければ、選んだことにも捨てたことにも気づかなかったのかな?
…ここから外が、見えなければ良かった。何もかも… 忘れてしまえたらよかった。
選択肢 | エンディング名 |
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無理にでも連れ出そう | 支配する手 |
来るんだ。
…ま、まって……!
君は使命などというものを押し付けられ、逃げられないよう支配をされた只の生贄だ。
…!
この地は何もかもが、地主神によって支配されているようだ。…君も。
支配された人間は、自分で考えることさえできない。
い、痛っ……
神の真似事などやめてしまえ。…人に神など必要ない。
手をはなせ。
!?
子供…! いつの間に… どこかに隠れていたのか…?
人に神は必要ない? …とんだ戯言だな。
面をつけていて、顔は分からない。腕を掴む力が恐ろしいほど強く、指が皮膚を裂き沈み込んでいるのではと錯覚する。
その人間が、神に仕立て上げるためだけにこの子どもの命を奪おうとしている。
…彼女はここから出す! 地主神の支配から逃れるべきだ…!
強い柑橘の香りが辺りを漂っている。
…とんだ見当違いだ。おまえは何もわかっていない。
…!?
強く腕を引かれ、膝をついた。
何かを支配しようなどと愚かなことを考えるのは、人間ばかりだ。
……な…
床についたはずの手が、砂利を掴んでいる。
…山の外だ。日は暮れ、周囲に人影もない。夢だったのかと疑ったが、腕には確かに痛みが残っていた。
あの少女の手が、こちらに伸ばされることはなかった。…ただ俺の手が、その手に痛みを残しただけだった。
最後の白黒の勾玉は何に使うの???
岩を通るために必要だったんですよ〜